# # お問い合せ

東大脳を育てる東大能力研究会

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実験教室

実験教室
Experiment & classroom

実験教室・・・疑問(質問)や論点が見つかった時の追及・探究

筆者が経験した遊びの中に学びがあることの具体例

筆者は幼少の頃、ビー玉同士を衝突させて、何種類か衝突のパターンを変えて更に衝突させて気が付いたのは、ビー玉同士を衝突させるとビー玉とビー玉の間にエネルギーの交換が起きるという本質的な物理現象についてでした。後述の物理学的疑問・質問の項参照

この物理現象については某有名中学校の理科入試問題に様々な形態で球が衝突するという問題がそっくりそのまま出題されたことに驚きました。私が幼少時遊んだ内容がそのまま中学受験に出題されていたからです。(遊びの中に学びあり)

御父母がお子様の疑問質問にお気付きの場合の御対応

このように遊びの中に学びがあるので、お子様方は懸命に遊ぶのです。このことを男の子の遊びを理解しようとしないお母様方は強く心にとめておいて下さい。

因みに筆者は幼少期に他の遊び友達と一緒に竹を削って竹トンボを作り、一緒に飛ばして遊んでいました。
わたしたちがお子様方と一緒に参加する東大五月祭では無人機ドローンが操縦できます。(於工学部航空工学科)が、操縦してドローンを飛ばしてみるとその飛翔姿勢の安定性や空中静止の姿勢は竹トンボの動きを参考にしたのではないかと思える程、同じであることがよくわかります。
是非竹トンボを(工夫)自作して飛ばしてみて下さい。遊びの中で立派な実験ができますよ!

御子様が疑問・質問をぶつけてきた時には決して逃げたり、はぐらかしたりしないで一緒に考えてさし上げてください。できれば実験したり仮想実験をしたりして下さい。
その時重要なことは仮説を立てること、理由をしっかり考えることです。
お子様方は実験が大好きで、なぜそのような結果になるのか真剣に考えて下さいます。
私達はお子様方の御質問に対して真剣に考え、真剣に回答をしています。
その結果、お子様方も更に真剣に考え、益々実験好きになって下さいます。
御父母の皆様もお子様方の御質問の意図が解らない場合や御質問に答えられない時、遠慮なく私達に御相談なさって下さい。
私達は喜んで一緒に考えさせていただきます。

1. イメージの世界を語る疑問質問
  • a.「赤いシャボン玉にはどんな夢が詰まっているの?」「青いシャボン玉は、何色のシャボン玉と話したいのですか?」
  • b.「お月様が病気になったら誰が治してあげるの?」「お星様はどこで寝るの?」
  • c.三面鏡に映るたくさんの自分の姿を見て、「どうしたら鏡の中の私と話せるの?」
  • d.擬人化・・・煮魚を食べた後「お魚さん、私のおなかの中は気持ちいい?」家族旅行に行ってホテルからチェックアウトする時、涙を浮かべて「ホテルさんさようなら。きっとまた来るからね」と言って別れを惜しんだ。

イメージする疑問質問には真剣に考え、お子様とイメージの世界を語り合ってお子様の右脳によるイメージ想像力を更に伸ばしてさし上げて下さい。

2. 生物学的疑問・質問
a.稲穂が育つのはなぜ?

幼稚園から贈られた稲の苗を植木鉢に植えて、水をやりながら育てた年長女子が苗が育ち稲穂が実ったのをみて「水しかあげていないのに、どうして穂が出てお米になるの?お日様が光の魔法をかけたの?」と不思議がり、私達に質問してきました。稲の苗に水をやりながら稲穂を育てたことはとても良い 実験になりました。
「小学校に入学したら、稲穂のことを勉強したい」と臨んだ事実は、国立、私立小学校の入学願書に書きこむのにとてもよいエピソードになりました。
(小学校の入学願書にこのようなお子様のエピソードをしっかり書き込むことで入試担当者の先生方はそのお子様の能力を高く評価して下さいます。)

→稲穂が実るのは、太陽光と二酸化炭素が葉緑体の力を借りて炭酸同化作用を起こした結果なのです。


b.松ぼっくりは生きている!?

b.松ぼっくり大好きな年中男子が、拾った松ぼっくりを水につけると、暫くして(30分~1時間)松ぼっくり(の鱗片)が閉じることを発見しました。
その松ぼっくりを水の中から取り出して放置して3日程すると、松ぼっくりの鱗片がまた開いている事に驚きました。「なぜだろう?」と尋ねられました。

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松ぼっくりは、水につかることにより冷えます。冷えると鱗片の外側の繊維が伸びます。外側の繊維が伸びることにより、松ぼっくりの鱗片は内側に閉じます。

逆に温かくなると(三日間程放置)鱗片の内側の繊維が伸びるので外側に開きます。

これを聞いた年中男子は喜んで「松ぼっくりは生きている!」と叫びました。

松ぼっくりを水につける実験は誰でも簡単にできますので、是非お試し下さい。

c.秋になると柿の実が赤くなるのは何故?

→日光をいっぱいあびているとカロチンが増して赤みが増します。 ニンジンが赤いのは、もともとニンジンの中にはカロチンという赤い色素がたくさん含まれているから。にんじんは土の中にある時から赤いのです。 実は動物でも卵黄にはカロチンがたくさん含まれています。「柿の実が赤くなるのは、人が日光にあたっているとメラニン色素が増えて日焼けするのと同じだよ」

d.秋になったら、木の葉が紅くなるのは何故ですか?

→c.と同じ理由で木の葉も紅葉します。(葉はアミノ酸から赤色の色素アントシアニンを合成して紅葉します)

e.ではカニやエビを茹でると赤くなるのは何故ですか?

→動物の体内にも植物期限のカロチノイドが広く分布しています。
(カニの甲羅中にあるアスタキサンチンが代表例)
その為、茹でるとカニやエビは赤くなるのです。

f.渡り鳥の謎

渡り鳥は何故危険を犯してまで長い距離を渡るのですか?

→例えば冬鳥の場合
北国は冬になると氷雪に閉ざされて餌が欠乏するので南の温暖の地へ渡り、北国が春の雪解け期になると虫などの餌が大量に発生するので逆に北国へ渡り、ヒナを育てるのです。 ではなぜ目標物もない海上を何千kmも迷わずに飛ぶことができるのでしょう。

→渡りは南北の移動ですので鳥は地球の磁力線を感じて飛ぶと言われています。
人は磁石がないと方位はわかりませんが鳥は体内に磁石の働きするものを持っているのではないかと言われています。

g.クモは何故自分の巣の糸にひっかからないで動けるのですか?

→クモの巣をよく見て下さい。クモの巣の中心から放射状に延びている縦糸に粘液はついていないのでクモはこの縦糸の上を動きます。
横糸には粘液がついているのでこの上は歩きません。
蝶などは横糸についている粘液がついて巣に絡まるのです。

h.フグは猛毒を体の中に持っているのに何故中毒にならないの?

→フグの持つテトロドトキシンという名の毒は青酸カリの実に500倍です。
なのになぜフグ自身は平気でいられるのでしょう。 実はフグはこの毒を自分の体内で作っているのではなく、テトロドトキシンを多く含む海底の泥を食べている生物を食べてこの毒を体内に蓄積しているのです。 フグは中毒にならずにピンピンしているのはフグの体内に特別の代謝機構があるからです。

i.魚は餌を食べない時も何故水中で口をパクパクさせているの?

→魚が水中で呼吸する為です。
魚は口から水を取り入れて、水の中に溶けている酸素を鰓から体に取り入れています。魚に酸素を提供した水は鰓から体外に出されます。呼吸をすることによって生じる二酸化炭素もついでに体外に排出されます

j.蛍のお尻は何故光るの?

→蛍のお腹には「発光器」と呼ばれる組織があり、そこで光のもとになるルシフェリンという発光細胞を作ります。
この発光細胞に燐酸(りんさん)の化合物やマグネシウムが反応してアデニルルシフェリンという物質ができ、これが中間代謝物として酸素と化合します。 この時、ルシフェラーゼという酵素が触媒となって、この化学反応のエネルギーを光エネルギーに変換するので蛍のお尻が光るのです。 しかし熱エネルギーには変換しないので蛍自身はもちろん、蛍に触れる人も火傷を負うことはありません

k.暗がりの中で猫の目が光って見えるのは何故ですか?

→猫、その他の夜行性動物の目の網膜にはグアニンと呼ばれる白い物質があり、この物質があると夜でもよく見えるのです。

なぜならグアニンには入ってくる光を反射する反射板のような面を作ってそこで光を反射させて映像を感知するのです。猫の目が暗がりで光るのはこの反射光のためです。

l-(1).兎の耳は何故長いのですか?

→戦う武器を持たない兎は肉食動物に襲われた時に一瞬でも早く気づき、早く逃げなくてはなりません。 そこで小さな物音でも聞き取れるように兎の耳は長くなっているのです。 また兎は汗腺が未発達なので長い耳から放熱して体温を下げるような体の仕組みになっています。

l-(2).(ウサギ、ウサギ何見て跳ねる 十五夜お月様見て跳ねる!)兎は何故跳ねるのですか?

→兎は前足が短く後足が長いですね。だからどうしても後足で跳ねるようにして前に進むのです。

因みに野兎を(谷側の)低いところから(山側の)高い方に追うと、長い後足を使って矢のように早く走って逃げます。 (犬でも追いつけません)

逆に上から下の方に追うと前足が短い為、あわてている兎は転ぶことがあります。(まちぼうけの歌にもありますね) この為(犬を使って)兎を狩る時は高いところから低い方へ追うとよいのです。

l-(2).白兎の目は何故赤いのですか?

→白兎の目の虹彩には色素がなく透明です。 そこで目の網膜にたくさん張り巡らされた細い血管が集まって全体として目が赤く見えるのです。

m.ミミズやクラゲは肺や鰓(エラ)のような呼吸システムをもたないのになぜ生きてゆけるのですか?

→クラゲは皮膚を通して海水に溶けた酸素を取り入れ、二酸化炭素を体外に出すことができるのです。 ミミズは体内に特別な体液が流れていて皮膚を通して外からの空気から体内に酸素を取り入れ、体内の二酸化炭素は体液に溶けて皮膚まで運ばれて体外に排出されるのです。 肺や鰓のような呼吸システムがなくてもこれらの動物は呼吸をしていることには変わりないのです。

3. 地学、地理的疑問と質問
a.「歩いても歩いてもお月様が追いかけてくるのは何故?」

イメージの説明をしては「君のことが好きだから仲良くしたいからついてくるんだよ。」と説明してあげてください。

<実験してみよう>
電車に乗って郊外を走ってみましょう。近くの家々は飛ぶように後ろに遠ざかります。ちょっと遠くの建物は、ゆっくり遠ざかります。もっと遠くの山々は、わらないほどゆっくり遠ざかります。 お月様は山々よりはるかに遠くにあるので、遠ざかっていはいるのですが見た目には全然わかりません。わからないけれどほんのわずかずつ遠ざかってはいるのです。

b.(aと似て非なるものがb)アメリカから日本に帰る西回りの飛行機の中で「お日様がちっとも沈まないでついてくるのは何故?」

イメージの説明としては同上。

<実験してみよう>

電球を太陽と見たて、地球儀上の上で飛行機の模型をゆっくり動かしてみると、太陽がゆっくりとついてくる理由が良く理解できます。 地球は西から東へ自転しています。 その為、太陽は東から西へ動いているように見えるのです。 その為、太陽は西回り航路で東から西へ飛行している飛行機と同じ方向に動くことになり、飛行機から見るとお日様がついてくるように見えるのです。

c.東京と九州を比べて九州の方が日の出、日の入り共に(30分以上)遅いのは何故ですか?

(前問と同様に)地球は西から東に向かって自転しています。その為、太陽は見かけの上、東から西に向かって移動します。 だから東京よりも関西九州方面にご旅行なさる方は、時計で時刻を計りながら日の出、日の入りを眺めるとこのことに気が付きます。(これも立派な実験ですよ)

4. 物理学的疑問、質問
a.海の色は何故青いのですか?

これに対する説明としては、イメージの説明と、光の反射による物理的な説明があります。科学的な説明としては「海の青色は空の青色を反射しているのです。曇ったり雨で空が暗い時は、海の色も暗い(鉛色)でしょ!」

b.「晴れた昼間の空は何故青いのですか?」「晴れた夕空は何故赤いのですか?」

太陽光は赤から青(紫)迄、波長の違うさまざまな光を含んでいます。 そのうち、波長の短い青色の光は、空気中の微粒子に散乱されるから、晴れた昼間の空は青色になります。反対に、波長の長い赤色の光は、空気を透過する力が強いので微粒子に散乱されることなく地上に到達します。 反対に沈むころの太陽から出た光(夕日)に含まれる光の中で波長の長い赤い光だけは水平方向の厚い大気をも透過して我々の目に入ってくるのです。 だから晴れた日の夕空は赤く見えるのです。

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(実験してみよう) 細長い透明な筒の一方の端に栓を詰め、栓を詰めたほうを下にして他方の端を上にして上から水を入れてその水の中に牛乳 を一滴落とします。 牛乳の微粒子が全体に拡散してきたところで、筒の上の端から懐中電灯の光を当てると、筒の上の方は微粒子に拡散されやや青白く光り、筒の懐中電灯の反対側(=下側)は水中でも透過力のある波長の長い赤い光が水中の微粒子に拡散されることなく奥まで届いてやや赤く光ります。

c.虹は雨上がりの空に太陽と反対の方向に出るのは何故ですか?

→虹は雨上がりの空に残る水滴に太陽光が反射、屈折してできるものだからたっている人から見て太陽と反対側に出るのです。

では虹は何故七色に分かれるのですか?

→虹は太陽光が雨滴に反射、屈折してできるものです。(前述)
太陽光は全体として白く見えますが実は様々な波長の光によって成り立っています。 この為、光が反射、屈折してできる虹は波長の違いによって様々な色に分かれて見えるのです。実は七色と言わず波長の違いによってその中間色も様々あるのです。たくさんある色を全体として七色といっているのです。 因みに虹の上の方に見える色は波長の長い赤、下の方に見える色は波長の短い青(紫)です。赤色の上にあるはずの赤外線と紫色の下にあるはずの紫外線は人間の目には見えません。

d.「風呂に入って、湯につけた自分の腕が折れ曲がって浮いたように見えるのは何故?」

<実験してみよう>
空の皿の中央にコインを置き、そのコインがギリギリ見えなくなるくらいまで後ろに下がります。

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ギリギリ見えなくなったら、その位置(コインがギリギリ見えない位置)に立ったまま動かないで、誰かにやかんに入れたお水を皿に注いでもらいます。すると今まで見えなかったコインが見えてきます。

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何故だろう? 水の中からコインが出た光が水から空気に出るときに屈折して、その屈折した光が人の目に入ってくるからコインが見えるようになるんだよ。 水中の腕が折れ曲がって見えるのも水中にある自分の腕から出た光が水面で屈折して、屈折した光が自分に届くからだよ。

e.「シャボン玉は何故丸いのですか?」

<実験してみよう>
シャボン液を丸い針金につけて吹くと丸いシャボン玉ができます。
では三角形や四角形の針金にシャボン液をつけて吹くと三角形や四角形のシャボン玉ができるのでしょうか?
否!!丸いシャボン玉しかできません。
何故だろう?
シャボン玉はシャボン液の薄い膜でできている。~これは表面張力が働くから。~
表面張力は最小限の力により表面積が最小で、かつ体積が最大のものをつくろうとする。
表面積最小で体積最大のものは球であることから三角形や四角形の針金からも球体のシャボン玉しか出来ないのです。

g-(1).襖の商事と下桟=溝にビー玉を等間隔に置き、右(左利きの人は左でも良い)端の球を強く弾くと、球は転がって次の(二番目の)ビー玉にあたる。衝突された玉はどのような動きを見せるのか?

仮説を立てると

  • ① ぶつかった玉とぶつけられた玉は揃って、強い勢いでぶつかった玉と同じ方向に転がる。
  • ② ぶつかった玉はぴたりと止まり、ぶつけられた玉はぶつかった玉と同じ勢い(ぶつかった玉と)同じ方向に転がっていく。

実験結果は②になります。

g-(2).では次に、玉を二つ向かい合わせて右の玉を強く弾き、左の玉を弱く弾くとどうなるか?

仮説をたてると

  • ① 衝突後は強くぶつかった玉の動く方向と同じ方向に二つの玉は動く。
  • ② 強く衝突した玉は、弱く衝突した玉の来た方向と同じ方向に、弱い勢いの玉と同じ弱い勢いで、もと来た道を戻っていく。弱い勢いの玉は衝突後(強い勢いの玉と同じ)強い勢いとなり、もと来た道を戻っていく。

正解は仮説②となります。

g-(3).実験g-(1)、g-(2)を通して、ぶつかった玉とぶつけられた玉との間で、エネルギーの交換が起きていることが解ります。では、次の事例はどうなると考えられますか?

「弱い勢いで転がる玉の後から強く弾かれた玉を追突させるとどうなりますか」 玉と玉の間でエネルギーの交換が起きるとすると、弱い勢いの玉は強く追突した玉のエネルギーをそのままもらって、衝突後は強い勢いで前に転がる(はずです。) 強い勢いでぶつかった玉は、弱い球のエネルギーをもらって弱い勢いでそのまま前に転がる(はずです。)

以上、予想(仮説)を立てて楽しくどんどん実験して(実験的)思考力を伸ばしてください。

尚、昔のビー玉と異なり近頃百均等で市販されているビー玉は材質が不均質で、上記の実験がうまくいくとは限らないことに御注意ください。

ビー玉を衝突させる問題は近年、某有名私立中学入試理科の問題として、ここで述べた事例が問題として数問出題されました。
衝突によって各々ビー玉の持つエネルギーが互いに交換されるという物理的本質が分かっていれば、全問正解出来ます。

遊びの中に学びがあるとはこのことです。
真剣な遊びで学びの本質をつかみましょう。

h.独楽(こま)の原理

独楽を回してそれを手(又は平らな板)で受けてそのまま手(又は板)の上で回します。
回しながら独楽がのっている手(又は板)を左や右に傾けたり、前や後ろに傾けたりしても独楽自体は手(または板)と一緒に傾かないではじめのまっすぐな姿勢は崩れません。なぜですか?

ニュートンの慣性の法則「(運動の第一法則)と言われる性質で、独楽が乗っている手(や板)がどのように傾いても独楽自体は傾かずにはじめの姿勢を保ち続けようとします。
独楽を回転させてその軸が空間に対して一定の方向(例えばりゅうこつ座の一等星カープスの方向)を保つようにした装置はジャイロ・スコープと言われ、人工衛星の姿勢制御に使われたりします。

i.達磨(ダルマ)落とし

達磨落としで飛ばされた部分の上にある部分は一緒に飛ばないで下に(そのままストンと)落ちるのはなぜですか?
→達磨落としの時、水平方向に力を加えられた部分はニュートンの運動の第二法則(運動方程式F=ma、Fは力、mは質量、aは加速度)により水平方向に飛んで行きます。
しかし力が加わっていない上の部分は同じニュートンの運動の第一法則(=慣性の法則…静止している物体は力を加えない限りそのまま静止しようとする性質)により(力を加えられた部分と)一緒に飛んで行きません。
しかし上の部分はそれまで支えてくれていた下の部分が飛んで行った為にしたから支えるものがなくなります。
そこで上の部分には重力によって垂直下方向に引っ張られ(上記ニュートンの運動の第二法則=運動方程式 ここではF=mg gは重力加速度)その位置からストンと下へ落ちるのです。
(注)同じ運動の第二方程式(運動方程式)でも達磨を打つ力は水平方向に加えられるのに対して、達磨の上の部分を下にストンと落とす力(重力加速度)は垂直下向きに働く違いがあります。

j.遠心力

鉄道のレールや、車のレース場、競輪場のカーブではなぜカーブの内側が低く外側が高くなっているのですか?
→カーブしているところを運動する物体(電車、車、自動車)には遠心力(=慣性の法則の一種)が働きます。 この遠心力によって物体は外側にずれて行こうとします。

そこでこれを防ぎ、カーブに沿って物体を運動させる為にカーブの内側を低く外側を高くしているのです。

遠心力を利用する機器には遠心分離機、遠心脱水器等があります。 遠心脱水気器は選択した衣類を脱水器に入れて脱水器を回転させると水分が遠心力によって外側にはじき飛ばされて脱水効果が生じるのです。 因みに遠心力は回転の中心から反対側に働くのではなく回転の接線方向に働く(見かけ上の)力なのです。 ハンマー投げや円盤投げをよく観察してみて下さい。

k-1.水が洗面台の中で流れ落ちる時、渦を巻きながら落ち込むのは何故ですか?

これはコリオリの力と呼ばれるものですが、コリオリの力を厳密に理解する為には、大学で学んで高等数学と物理学の力を身につけなくてはなりません。
そこで、ここでは数式を用いないでわかりやすく説明したいと思います。

物体(ここでは水)は慣性系(ニュートン力学が成り立つ座標系)の上で当たり前の運動をしているつもりなのに回転してる台=地球の上に乗った人から見るといかにも物体(水)が、回転運動+その当たり前の運動+遠心力の働く運動をしているように見えます。 物体(水)は自分はまっすぐに落ちているつもりなのに地球と地球に密着している洗面台でその脇に立つ人が回っているせいで(人から見ると)水が回っているように見えるのです。 その他、長い振り子を振っているとほんの少しずつずれて行く現象もコリオリの力によるものです。(国立博物館に実物がありますので観察してください。)

k-2.ではその水が左回り(反時計回り)に回りながら流れ落ちるのは何故ですか?
(この質問をするお子様は観察眼がすごいと思います。)

上式を参考に考えてみて下さい。
地球は西から東に自転しているので北半球では左回りに流れ落ちるのです。
(南半球ではその逆で右回りです。南半球に旅行をしたら試してください。)
また北半球を北上する台風(学名はタイフーン。他にカリブ海を北上するハリケーン、ベンガル湾を北上するサイクロン)は全て左回りに台風(=低気圧)の中心に向かって流れ込むのです。
これも気象衛星の天気図(左回り)をテレビで確かめることができます。

l.もしも自分が光と同じ速度で走ったらどんなことになるのですか?  手鏡を持って光と同じ速さで走ったら自分から出た光は鏡に届かなくなり、自分の姿は鏡から消えるのですか?  (この疑問はアインシュタインが子供の頃持っていた疑問と同じです。アインシュタイ   ンはこの疑問を解く為に、子供の頃思考実験を繰り返しました。)

結論から言うと人の走る速度が光の速度に近づいても光はその人からさらに光速(真空中で秒速30万km)で遠ざかります。 このことは自分が走らずに静止している時に手鏡を持つとその手鏡に自分が映るのと変わりません。

英国の物理学者J.マクスウェルが導いた電磁波の波動方程式(マクスウェル)方程式によりますと

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電磁波の波動方程式
(Eは電場、Bは磁束密度、εoは真空中の誘電率、μoは真空中の透磁率)

この方程式は偏微分方程式なので解く為には境界条件を与える必要がある他、大学数学の実力が必要になります。(解き方をお子様に説明する必要はありません。)

しかしこの式を解くと電磁波及びその一種である光の速度(光速)=30万km毎秒という値が求められます。
ここで重要なのはこのように光速度は計算によって求められるということです。
計算で求められる以上、どんな座標系から見ても(どんな速度で運動している人から見ても)光速は常に一定と考えられることです。(アインシュタイン)

よって光速に近い速度で運動している人から見ても静止している人から見ても(まったく異なる座標系から見ても)光速は30万km毎秒で、一定なのです。
尚、高速度30万km毎秒はマイケルソンとモーリーの実験によっても確かめられています。

ここで高速度が一定であるならば、運動している物体に流れる時間は遅くなります。
(アインシュタインの特殊相対論的効果)

この時の座標変換に従来のガリレイ変換を行うとマクスウェルの方程式の形が変わってしまう為に座標変換にガリレイ返還式を用いることは出来ません。
マクスウェル方程式(電磁気学の基本法則で電磁波の一種である光にも適用あり)を変えないためにはガリレイ変換(式)ではなくローレンツ変換(式)が必要になります。(後述のカーナビの項参照)
(ローレンツ変換の名が付いていますが、ローレンツ自身は何故この変換式が成り立つかを説明できませんでした。)

その理由を明らかにしたのがアインシュタインの特殊相対性理論なのです。

尚ローレンツ変換による時間の遅れとアインシュタインの特殊相対性理論はこの後のカーナビの項に一般相対性理論に基づく重力場方程式と共に若干の説明を加えておきます。

5. 天文学的疑問、質問
夜空に瞬く天体に対する疑問質問について

私達の天文教室でお星様を観察しませんか?

こと座のことは誰のものですか?

星のオリフェスのものだよ(星座神話)

御父母にお子様と共に実際に天体望遠鏡で各種天体を観望していただくと、お子様方に遥か広大な宇宙空間、謎かける深宇宙に対する尽きぬ興味と関心をもっていただけるようになります。 私達は群馬県と長野県の県境の山頂できれいな星空が見える場所に天文台を共有し、天文活動も活発に行っています。 天文台の大口径望遠鏡(ASKGR760)では深宇宙の謎に挑みます。 また、大宮、川越、練馬石神井教室になる小口径望遠鏡で適宜、星空観望会を催しています。(月面クレーター、土星の輪の変化、木星の大赤班や4つのガリレオ衛星等の惑星系の観測。お子様を見るよい子の会で) 四季の星座観望会では四季折々の星座の他、散開星団、球状星団の観測を行います。 (お話星座教室で)

あなたはご自分の生まれた星座がどのように決まるのかご存じですか? 星空に夢を馳せ、お子様方に学習モチベーションを上げていただきます。 以上、星空観望は全て無料で、御希望のお子様、御父母に御提供する東大能力研究会の教育サービスの一つです。 (天文教室参照)

6. 気象学的疑問、質問
a.(陽炎、逃げ水、蜃気楼)陽炎(かげろう)はどうしてできるのですか?

→空気の温かいところと冷たいところがあると空気密度の違いが生じてそれらが混じると、そこを通る光が境界で反射したり、屈折したりするので向こう側の景色が揺れて見えるのです。
陽炎に似た現象に逃げ水、蜃気楼(しんきろう)があります。
武蔵野の逃げ水は有名です。
外国ではアラブの砂漠で同様の現象が見られます。
太陽光は地面を温めると、温められた空気は軽くなり上に上がろうとします。
その時上空の空気が動かなければ、空気の境目が鏡の様になって光を反射して青空を映す為に池や水溜まりが出来るように見える現象です。
砂漠を行く隊商がこれを見て喜んで近付こうとしても、行けど行けども水は遠ざかるのです。

b.寒い(冬の)日に吐く息は何故白くなるのですか?

→人間の体温は36~37度で年間一定しています。
寒い日は吐き出される息が外の冷たい空気に触れると、温かい息の中に含まれる水蒸気(気体)が冷やされて非常に小さな水滴(液体。これを水蒸気という人もいます)になり(気体から液体への状態変化=相転移を起こし)これが白く見えるのです。
寒い日に外から暖かい部屋に入ると、掛けていた眼鏡が一気に白く曇ることがあります。これは室内の温かい空気が外から入ってきた人や眼鏡のまわりの冷たい空気によって急激に冷やされる為に暖かい空気に含まれている水蒸気が非常に小さな水滴になり(気体から液体に状態変化し)眼鏡のレンズに付着して一気に白く曇るのです。
因みに人は恒温動物で体温は36~37度を保っていますが、外気は夏と冬では相当の温度差があります。
外気が10℃を下回ると人間の吐く息は白くなるのが生活上の経験則です。

c.雪が積もった車道で前車の轍(わだち)の後を後続車が通るとタイヤで踏まれた雪が水に変わるのは何故ですか?

(このことに気付くお子様はすごい!)

車のタイヤに踏まれることによって雪は強い圧力を受けます。 この圧力によって雪は体積が少なくなるように状態変化(相転移)を起こします。 雪は状態変化(相転移)するとより体積の少ない水になるのです。 (雪や氷は水に比べると同じ質量(重さ)ならば雪の方が体積が多いのです。)

よって車のタイヤに踏まれた雪は状態変化(相転移)し、より体積の少ない水になるのです。

尚、雪が水になるのはタイヤの熱によって溶けるからではありません。 タイヤに触れてみて下さい。

7. まとめ(考え、観測し、実験することの意義)

以上、イメージの世界に関する疑問質問から宇宙天文学に関する疑問質問に至るまで、お子様の様々な疑問質問と、それに真摯に向き合いお子様と御一緒に考え、観測、仮説を立てて実験することはその実験で仮に成果を得られなくても真剣に考え、観測し、実験すること自体が素晴らしいエピソードになります。 小学校入試願書にこのエピソードを記載することで、入試試験官は心を動かされ、面接試験ではこのエピソードについて尋ねられることでしょう。 ある有名私立小学校の入試面接試験では願書のエピソードに赤いアンダーラインが引かれ「すごいお子さんですね」と言われたそうです。 このようなエピソードを入試願書に書き込むことにより、面接試験はこちらの土俵で勝負できることになり、面接試験では高得点を取ることが期待されます。 お子様の疑問、質問についてはお子様や御父母の御要望により、私達東大能力研究会の講師も共に考え、観察し、実験しております。 私達はお子様の疑問、質問は皆で大切に扱ってお子様の才能を可能な限り伸ばしてさし上げたいと考えております。

以上、「よく学び、よく遊ぶ」具体例をたくさん挙げましたが幅広く遊び広く学ぶことは小学校に入学以降に学ぶリベラルアーツにスムーズにつながるのです。

また、遊びの中に学びがあるということは真剣な遊びを通して、問題発見、発掘能力、実験的思考能力、創造的ないし想像的分析能力、論理的展開能力、結論要約能力、自己発信能力を養うことになり、アクティブラーニング・ディープラーニングにつながるものがあります。(学習、教育、指導の一貫性)

次に、国立、私立、小学校受験についても東大能力研究会でマンツーマン指導を受ける合間や学習後に以上の幅広い「遊びと学び」を実践すると入試合格に必要な知能、学力は著しく伸びます。
このことは東大能力研究会の国立、私立小学校への合格実績が如実に物語っています。